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リスクとリターンの本当の意味

かこか
かこか

こんにちは。かこかと申します。

私が好きな山口周さんの記事で、面白いのを見つけました。
途中から有料記事になってしまいますが、
無料部分だけでも十分意味が伝わります。

予測をするより構想する、というのはわかりやすく、的を得た表現だなあと思います。
さすがですね。

私が勤める会社でも未来を予測することが求められることがしばしばあります。

たとえば投資の可否を判断する場合、その投資でどれくらいの効果を得られるかというのを試算し、投資対効果が十分に見込めると判断されなければ決裁は下りません。

そんなの当たり前でしょ、と言われるかもしれませんが、
常にとは言わないまでも、この考え方に疑問を持ってしまう場面があります。

何に疑問を持つかというと、未来を正確に予測すること、つまりリターン(≒儲け)を
正確に予測することなど誰にもできないのに、
なぜそんなにも力を入れて数字を出そうとするのだろうか、ということです。
そんな不確かな数字を無理やり並べて投資対効果があるだないだと言っていることが
私には意味のある経営行為には思えません。

私がこれまでいろいろな本やネット記事などで学んだ「リスクとリターン」の意味を
私なりに定義してみました。
それが学術的に正しいかどうかはわかりませんので、異論は認めるとさせてください
(どこかで聞いたことあるなあと思われるかもしれませんが、それもご容赦ください)。

リターンというのは図の①で表される概念で、期待値と訳されます。
まさに予測する未来の姿であり、現在よりも望ましい状態のことを指します。

一方でリスクという言葉は危険性という意味合いで使われることが多いので、
②のような未来が現状より悪くなる状態をイメージする場合も多いと思いますが、
そうではなくて③の状態、つまり想像する未来が実現できない可能性と考えるべきだと思います。

これから実行しようとしている行動や投資が初めから②の状態、
つまり現状より悪くなることが想定されるのであればそれはリスクでもなんでもなく、
ただのギャンブルなので問題外ですが、
想定するリターンが得られない可能性があることを認識し、
それでも今より良い状態になることを目指してその可能性を受け入れることがリスク
です。

たとえばスカイダイビングする場合を考えてみます。

スカイダイビングは命がけの行為ですが、
高いところから飛び降りることによってスリルや爽快感を味わうことがリターンになります。
高いところから飛び降りるという行為自体が危険、つまりリスクであると考えがちですが、
この場合、高いところから飛び降りること自体はリスクでもなんでもなく、
飛び降りないこと自体がリスクになります。

それなのに多くの場合は、本当に得たいリターン(爽快感を得る)を描けていないがゆえに、
これから行う行為(高いところから飛び降りる)が危険であるかどうかばかりに注目してしまうために、本当にやるべき行為を実行することができないという場面が多いように感じています。

少なくとも私の会社ではそういうことが多いです。

では、リターン以外にどのような基準で投資の可否を判断するかというと、
そのリスクを受け入れられるかどうか、という点に尽きると思います。

もちろん投資する金額や時間などの資源の量が大きくなればなるほど判断は難しくなりますが、
本質的には変わらないと思います。

つまり、そのリスクを受け入れられるかどうか、です。

山口さんの記事にも書かれていますが、結局未来(リターン)というのは予測できないのですが、
リスクについては比較的簡単に計算ができます。

お店で買った商品が自分の生活に対してどれだけの価値を与えてくれるかは計算できませんが、
この場合、思ったような価値を得られない可能性を受け入れるかどうかは、
その商品代金の金額がなくなることと、お店まで行くための時間と労力を受け入れることができるかどうか、ということになります。
そう考えると、リスクを受け入れられるかどうかは簡単に計算できますよね。

もちろんそのリスクを回避する方法、被害を小さく抑えることができる方法を別で考えておく必要はあります。それがリスクヘッジというやつですね。
スカイダイビングの例で言えば、万が一パラシュートが開かなかった時のために予備を準備しておくなどです。

未来を予測して、その投資をすることで想定通りのリターンを得られるかどうかをわかりもしない数字を並べて検討するよりは、
実現したい未来をまず描き、それを達成できない可能性を考え、
そのリスクを受け入れることができるのであればまずはやってみる、
ということがリスクを取るということであり、チャレンジなんだと思います。

 

かこか
かこか

最後に自己紹介をさせてください。
私はこんな人です。

  • 大手企業の生産技術を研究/開発する部署の課長
  • 金属切削の生産技術歴 約20年
  • 上司と部下の人間関係を中心に仕事のことを書いています
  • 海外駐在経験あり
  • 高周波焼入れに関する本を書きました

自己紹介 はじめまして ご訪問いただきましてありがとうございます。 自己紹介させていただきます。 出...

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