こんにちは。かこかと申します。
前回は新入社員の配属の決まり方について書きました。
今回は社内異動について書いてみたいと思います。
今の仕事が嫌だから他の部署に異動したい
自分のやりたい仕事があるから別の部署に異動したい
新入社員にとっては配属が一番の関心事ですが、働き始めた社会人にとっての関心事は異動に移っていくと思います。日々の業務の中では意識されることはあまりないとは思いますが、多かれ少なかれ、心のどこかに関心があるでしょう。
そこで今回は社内異動について記事にしてみたいと思います。
このブログでは異動について過去にいくつか記事にしていますので、もし良かったらそちらも読んでみてください。
キャリア形成より組織の都合
他の記事でも書いた通り、私は新入社員配属で自分の望まない工場生産技術の部署に配属されました。
その時の上司にも異動を訴えたこともありましたが、まずは3年くらいは今の部署で働いてみろ、とか、頑張ればおのずと声がかかる、というようなことを言われた記憶があります。
今にして思えば上司がそう言ったのも多少理解できる部分もありますが、やはりやりたい仕事に就けなかった悔しさというのは自分を苦しめました。
私の会社では毎年、異動希望があるかどうかを尋ねる仕組みがあります。私は毎年のようにそこに異動希望を書きましたし、上司との面談でも異動を訴えました。当時はその仕組みがきっちりと機能していて、言い続ければ誰かが見てくれていると信じていましたから。
ですが、結果として20年近くの間、同じ部署にとどまることになってしまったわけです。まあ、途中からは今の仕事が面白くもなってきたので、異動希望も出さなくなってしまいましたが。
もともと私が所属していた部署は人材の流動性が低く、私だけではなくて他の人も長く在籍する人が多い部署でした。外に出ていく人も、外から入ってくる人も少なかったです。他の部署ではそれなりに人事異動があったので、いいな~、俺も異動したいな~、といつもうらやましく思っていました。
異動していった人たちも自分が希望して異動できていたのかはわかりませんが、今の部署から出たくて仕方がなかった私にとっては僻みの理由となるには十分でした。
そんなこんなで時間を重ね、今は異動をさせる判断をする側の立場になりましたが、まず異動についての結論を言ってしまうと、個人の希望より会社の都合が優先される、ということです。
まあ、これは薄々感じていたことではありますが、実際に異動をさせる側になって、その仕組みを知ることができたことで確信に変わりました。
いくら異動したいと訴えたところで、その組織が忙しければ出してもらえないことがほとんどでしょう。上司は部下の異動希望を理解していながらも、なかなか希望通りの異動を叶えてあげることはできない場面が多いと思います。
では、異動をしたい時は運を天に任せるしかないのでしょうか?
もし異動を希望する部下がいたとして、管理職である私から見てどういう人が道を切り開きやすいかというと、明確にどこに異動したいかの希望がある人、です。
当時の私もそうでしたが、なんとなく今の仕事が嫌だから外に出たい、という理由で異動を希望する人はけっこう多いと思います。ですが、こういう理由だと異動先を選ぶにしても選ぶのは難しいです。どこでもいいから異動したいと言われたって、異動先をどうやって探せばいいか、管理職だって困るものです。そもそも出したくもないのに、なぜそんな手間をかけてでも異動先を探さないといけないのか、という気持ちになるのも無理はありません。そうなると、どこかから「誰かいないか」と声をかけられるのを待つしかなくなるわけですが、そんな話が来ることはそう多くはありません。
かつ、外に出す側としても何かしらのメリットを受けたいと思うものです。メリットというのは、要は異動先が今の職場と関連性を持っており、そこで活躍してくれれば自分達にも何かしらの恩恵があるということを期待するわけです。
運よく、そんな職場があり、そしてそこから声をかけられることは多くありませんので、そのタイミングを待っていたらいつまで経っても異動できないということになります。
もし明確に異動したい先があるのであれば、上司も比較的動きやすいでしょう。ピンポイントでそこにアタックをかければいいわけですから。
とはいえ、その上司が実際に動いてくれるとは限りません。先述したように、基本的に上司は部下を外には出したくないものだからです。また、動いてくれる上司であったとしても、その希望する部署とコネクションがないかもしれません。そういう場合はなかなか話が進まないものです。
以前、私の部下で異動先をある程度絞った形で異動希望を出した人がいました。Aさんとしましょう。Aさんが前々から異動希望を出していることは知っていましたが、Aさんは重要な戦力でしたし、その分野を扱える人数が少なかったこともあって簡単に人を出せる状態でもありませんでした。
ですが、ある程度明確に希望先を絞ってきたので、これは本気だなと思うようになりました。ただ、残念なことにその希望先とのコネクションを私は持っていませんでした。
まあ、Aさんを積極的に出したいわけじゃないし、コネがないからという理由ではぐらかしておこうか・・・と考えたのが正直なところでした。ですが、Aさんの家庭の事情などもあって以前に比べても異動希望が切実なものになっていることを知っていたので、これはAさんのためになんとかしてあげたい、と思えるようになりました。
そこで、唯一あった細い伝手を伝って話をしてもらうように働きかけました。そうするとその人も協力してくれて、希望する部署の管理職に話をつないでくれたのです。向こうも乗り気になってくれて、思ったよりもスムーズに話が進みました。結局、お互いの希望する時期が合わなくてこの話は流れてしまいましたが、こういうケースはあまり多くはないと思います。自分で言うのもなんですが、自分にとって何のメリットもなく、面倒な話を積極的に進めてくれる人もそう多くはないと思います。
Aさんの例を見ても、明確な希望先があることで少しでも話が進みやすいのは事実です。少なくとも、今がいやだからどこでもいいから出してほしい、という程度の動機であれば、かなうものもかなわないと思います。繰り返しますが、個人の希望よりも組織の都合が優先されるわけですからね。
仮に本当にどこでもいいからといって興味も知識もまったくない部署に異動させられた場合、今より難しい環境になってしまうことも十分にあり得ます。異動は必ずしも自分にとって良いことばかりではなく、居場所を確保しないままに異動をするとそこで埋もれてしまうこともよく見かける状況です。
異動先で活躍することの難しさについては別の記事でも触れていますので、良かったら読んでみてください。
残念ながら異動というのは、個人のキャリア形成のためというよりは、組織の都合、つまりリストラが理由で発生するものです。一般的にリストラというのは人員整理のことを指すと思いますが、ここでいうリストラというのはリストラクチャリング、組織の再構成のことを言っています。会社が力を入れたい分野に人材と投入するとか、人が足りない部署に無理矢理よそから人を持ってくるとか、あるいは何かしらの理由で人が抜けた時にその穴を埋めるとか、そういう理由によって発生する組織を維持するための手段です。
もちろん、管理職の人たちが何も考えずに人を動かしているわけではなく、その人のキャリア形成のことを考えてはいますが、それが優先されることはあまり多くないということは知っておいてもいいと思います。
自分の身を自分で守ろうとするならば、難しいことではあると思いますが、なんとなく外に出たいというようなぼんやりとした希望ではなく、どこどこに行ってこんな仕事をしてみたい、という明確な(本当に明確ではなくても意思をはっきり持つ)希望を持つことが重要だと私は思っています。
最後に自己紹介をさせてください。
私はこんな人です。
- 大手企業の生産技術を研究/開発する部署の課長
- 金属切削の製造技術歴 約20年
- 上司と部下の人間関係を中心に仕事のことを書いています
- インドネシア駐在経験あり。インドネシア語検定C級を持ってます
- Twitter、noteもやってます https://twitter.com/Shibakin_2019
- noteで高周波焼入れに関する記事を書いています
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