仕事

部下と上司のギャップを埋めるには〇〇しかない

かこか
かこか

こんにちは。かこかと申します。

管理職をやっていて常日頃から思うことは、

部下と上司の間にある考え方ギャップってずっと埋まらないんだろうなぁ

ということです。

上司
上司
はぁ、なんでこんな中身の薄い資料を作るんだよ。
そんなこと誰も聞いてないし、こんな情報じゃ判断できないよ。
まったく何をやらせてもダメなやつだなぁ・・・
部下
部下
はぁ、なんで土壇場になってこんなこと言うんだよ。
今になってそんなこと言われたって知らないよ。
納期は明日なのに、また残業対応が必要じゃないか。
まったくクソ上司め・・・

何かの資料を作成し、上司に提出した時にこんな風景をよく見かけますよね。

同じ物事でも上司と部下では見え方が違います。上司は結果責任を負いますので、部下に対して成果を出してもらうように指示をします。一方で部下にあたる人たちは技術的な困難に立ち向かい、難しい駆け引きにも対応しないといけません。常に上司から言われた通りの成果を出せるとも限りません。

ゆえに、多少のすれ違いは仕方のないことだとは思うのですが、お互いに感情的な不満を持ってしまうほどのすれ違いはなぜ起こるのでしょうか?

私なりにその原因を考察し、解決策を提案してみましたので、ぜひ最後まで読んでいただけるとうれしいです。

もくじ
  1. 野球部の指導から考えてみた
  2. どんな指導法なら受け入れられるのか?
  3. ギャップを埋めるには〇〇しかない

 

野球部の指導から考えてみた

私の息子は野球部に所属していたのですが、試合や練習を見に行くたびに監督の指導方法に眉をひそめていました。それはなぜかというと、監督が一方的に怒っているだけで、子供たちの上達につながっていないと感じていたからです。

監督は試合に勝つことを目標にして選手たちに指導、叱咤激励をしているのに、肝心の選手たちは上達もしないし監督の言っていることが理解できていない。そして、監督に対して不満を抱く。

今まで野球部に所属していた人たちと何人も話をしたことがありますが、監督に対して良いことを言っていた人を見たことがありません。だいたいが監督の指導法に対して文句を言っていました。文句を言うだけならまだしも、監督の言っていることなんて気にしてなかった、という人もたくさんいました。

会社においてもこれと同じような現象が起きているのではないかと私は思っています。上司が一方的に怒っていて、部下も上司に対して不満を抱いている。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

私から見た野球部監督の悪い指導法を例にして、その時に選手と監督がどのように考えているのかを解説してみたいと思います。

・感情的に怒る
選手:また怒ってるよ・・・
監督:まったく何回言わせればわかるんだ・・・

・結果論で怒る
選手:それはやった後だから言えることでしょ?
監督:そんなこと言わなくても当たり前だろ

・人格を否定する
選手:俺だって失敗したくてしてるわけじゃないよ・・・
監督:だからお前はダメなんだよ・・・

・考え方の軸が見えない
選手:この前と言ってることが違うじゃないか!
監督:状況によって考え方が変わるのは当たり前だろ!

・暴力、威嚇、時には脅迫に近いことを言う
選手:そんなに怒ったら言いたいことも言えないし、質問もできないじゃないか!
監督:甘やかしたら癖になるから厳しくしないと!

私の息子が所属するチームのエース選手がいるのですが、この選手はいつも監督から怒られていました。監督からすると、エースに言うことでその他の選手への波及効果を狙っているというのもあるのでしょうけど、その選手に「監督の指導内容に納得しているの?」と聞いたことがあります。

すると、「まったく納得していない。すべて結果論で怒られていたので不満しか残らなかった。だから野球が嫌いになった」と言っていました。せっかく能力がある選手だったのに、その監督の指導のせいか、高校に入って野球をやめてしまいました。

私が見る限りですが、単発で指導はするものの、だいたいがその場しのぎの指導で、どうしてそうすることが必要なのかを説明せず、反復練習をさせることもありませんでした。

これでは選手はうまくならないですし、不満も溜まるばかりですよね。

 

どんな指導法なら受け入れられるのか?

それでは、良い指導方法というのはどういったものでしょうか?

野球部の監督の指導方法を反面教師にしつつ、自分の経験も思い出しながら同じように列挙してみたいと思います。

・論理的に説明する
選手:なるほど、そういうことだったのか!
監督:基準となる考え方に対するズレが何かを説明しないと

・過程を検証する
選手:確かにここが悪かったのかもしれないな
監督:そこに行き着くまでの経緯を確認しないと良くならない

・是々非々で議論する
選手:言い訳したいこともあるけど、結果は結果として受け止めないと
監督:指示していたことに対する過不足はきちんと指摘しないと

・考え方の軸を説明する
選手:軸がわかっているから多少の変更があっても自分で考えられる
監督:自分がすべてを決めなくても部下が自分で考えられるようにしないと

・心理的安全性を確保する
選手:自分の疑問を確認できたし、言いたいことも言えてスッキリした
監督:一方的ではなく、相互の考えを理解できるようにしないと

悪い指導法の反対が良い指導法になるわけですが、このような上司であれば多少意見のすれ違いはあっても部下は納得して仕事ができるのではないでしょうか?

上司と部下の間柄は「説得と強引」ではなく、「納得と合意」が大切であるという言葉をどこかで見かけたことがあるのですが、なるほどなあと思わされました。

上司の部下に対する不満と、部下の上司に対する不満。

細かく見ていくとたくさんあるように思うのですが、すべてに共通していることって何だろう?これさえ押さえておけば大丈夫、というような普遍的な真理がないだろうか?

そう考えて自分なりにノートに書き出してみた項目が、ここまでに列挙した内容になります。

ギャップを埋めるには〇〇しかない

これらの良いところ、悪いところを書き出し、じーっと眺めてみました。

どこに共通点があり、どんな時に部下は不満を感じているのか。独りよがりの上司にならないためにはどうすればいいのか。そんなことを考えながら各項目を何度も読み返してみたわけです。

結果、指導の良否を分ける普遍的な基準は

あらかじめ上司が自分の考えを発信しているか否か

であるという結論に達しました。

これを基準にして悪い指導法を見ていくと、すべてあらかじめの発信がないがゆえに選手が納得できていないことがわかると思います。また監督も、言わなくてもわかるだろ、という自分勝手な考えで発言していると言えるでしょう。

一方で良い指導法を見てみても、あらかじめの発信がないことには成立しないことがわかります。発信したことに対するズレをお互いに確認し合ってこそ、初めて良い指導法が成り立つと言えます。

長々と書いた割りにはありきたりな結論だな、と思われるかもしれません。どんなビジネス書にも当たり前のように書かれていることですしね。

ただ、これができている上司はとても少ない、というのが私の印象です。

多くの部下から「こいつはダメだ!!」と思われる上司というのは、決まって気分屋です。その場その場で発言を変えますし、そんなこと知らねーよ、もっと早く言えよ、今言うなよ、というような不満を部下に持たれます。こういう上司は問題外ですが、とにかく発信量が少ないくせに、自分の頭の中で考えていることを誰もが当然のように理解してくれている、と勘違いしてしまっている場合がほとんどだと思います。

臨機応変に対応してください、という当たり前のことしか言わないのに、部下が取った行動の結果でしか反応しない。臨機応変に対応できていないのはどちらでしょうか?

また、そこまでひどくなくとも、上司の考えていることがわからない、自分のやっていることが正しいのかどうかわからない、というモヤモヤを部下に与えてしまっている上司もいます。それも発信量が少ないことによって発生している現象でしょう。上司からしてみると部下に任せたと思っているのかもしれませんし、実際に結果に対して文句を言うこともないのかもしれませんが、それは結果責任を果たすべき立場としては適切でないと私は思っています。

対話が大事ということはこれまでも盛んに言われてきましたし、1on1などのコミュニケーション手法が推奨されています。1on1は私も定例的に実施しているのでその意義には同意できるのですが、1on1では上司が話をするよりも部下からの発言を重視せよ、ということになっています。

これも決して間違いではないと思うのですが、部下の発言に対して上司が反応をすると、どうしても部下の発言を否定するような物言いになってしまうことが多いと私は感じています。

そこで私は上司である自分が発信をし、その内容に対して部下がどう考えるのかを聞くようにしています。何を話してもいいよと言っても話づらいものですし、上司の発信に対して自分の考えを言うという順番にすることで、いったん上司の言っていることを自分の中で咀嚼する時間が生まれると思うためです。そうすれば、上司の発信はより心に残りやすくなるのではないでしょうか。

かつ、一番大切にしてほしい考え方を発信するようにも心がけています。迷った場合はこっちを重視せよ、という具合に優先順位を明確にするようにしています。大小はあるにせよ、業務を遂行している人たちは毎日のように判断をしています。毎回上司が判断するわけにはいかないので、臨機応変に対応してほしいという上司の思いは非難されるようなものではないと思います。

ただ、その時に最も重視すべき項目が何であるかというのは常日頃から発信しておく必要があるでしょう。そうでないと、部下は臨機応変に対応したつもりなのに、上司は結果だけを見て良否を判定することになり、上司は不満を持つし部下も上司に対して信用ができなくなるという関係性に陥ってしまうのだと思います。

結果責任を負う以上、原則的には上司の指示に従うべきであると私は考えています。一方で、実際に行動して成果を出してもらうのは部下にあたる人たちです。上司だからと言って何を言ってもいいわけではないですし、絶対的に偉いわけでもありません。上司は求められる成果を出すために部下のパフォーマンスを最大限に引き出さないといけない。そのためには部下との信頼性を普段から構築しておく必要があります。

部下にすべて任せる!!責任は自分が取る!!というのは一見頼もしくてやりやすい上司に見えるかもしれませんが、どういう成果を出してほしいかを説明しないままにこのような発言をするのであれば、これは会社に対する結果責任を果たしていることにはならないと思います。

発信することの大切さをつらつらと書いてきましたが、ホウレンソウという言葉があるように、基本的には部下が上司にアプローチするものであって、上司はそれを待って批評をするものであるという固定概念が根強く存在していると思います。

自分が求めている結果を出してもらおうとするならば部下からのホウレンソウを待つだけではなく、自分が常日頃から発信し続けないといけないですし、会話をする時はその発信した内容に対するズレをお互いに確認しあうという手法を取るべきではないでしょうか。

 

かこか
かこか

最後に自己紹介をさせてください。
私はこんな人です。

  • 大手企業の生産技術を研究/開発する部署の課長
  • 金属切削の生産技術歴 約20年
  • 上司と部下の人間関係を中心に仕事のことを書いています
  • インドネシア駐在経験あり。インドネシア語検定C級を持ってます
  • Twitter、noteもやってます https://twitter.com/Shibakin_2019
  • noteで高周波焼入れに関する記事を書いています
高周波焼入れについてのノウハウをnoteで公開します Twitterでも配信させてもらっていますが、高周波焼入れについての記事をnoteで書かせてもらっています。 すでに大部分...
自己紹介 はじめまして ご訪問いただきましてありがとうございます。 自己紹介させていただきます。 出...

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