私たちは日々、やらなければいけない業務に追われていますが、
今自分がやっている仕事や、部下にやらせている仕事が本当に必要な仕事なのか、
って考えたことってありますか?
今日はそんなことについて書いてみたいと思います。
- あなたの仕事、他でもやれませんか?
- To Do より Not To Do
- 本当に必要なのは・・・
あなたの仕事、他でもやれませんか?
昨年まで私がいた部署は残業がとても多い職場でした。
一説によると私の部署が社内で一番残業が多かったとか。
ウソかホントかは知りませんが、そうであって疑わないくらい残業が多かったです。
なんでそんなに残業が多くなるのか。
理由はいろいろあるとは思いますが、複雑に絡み合っている感じで、
結局本質的な理由を見つけることができませんでした。
管理職である私としては、やらないといけないことは時間をかけてでもやらせないといけないですが、
そうでない仕事を極力減らそうと努めていました。
ですが、なくせる仕事はないか、減らせる仕事はないか、
と聞いても、
そんな仕事はありません
と答えられるだけでした。
部下は自分で仕事を選ぶことができません。
だから上司が仕事を選んであげないといけません。
ですが、上司である私も仕事を選ぶことができませんでした。
なぜかというと、私と私の部下がやる仕事は、さらに上の上司が決めることだからです。
私は上司に仕事を減らしてくださいといつもお願いをしていました。
特に定例報告会についてはもっと減らしてもらいたい、ということをお願いしていました。
報告会に参加するだけであればいいのですが、報告するためには資料を作成しないといけませんし、
資料を作るためには何かしらの活動をしないといけないからです。
当たり前のことではありますが、
本当はやらなくてもいいのにやらないといけなくなっている仕事
を少しでも減らしたいと思っていました。
私がやらなくてもいいと思っている仕事でも、私の上司から見るとやらないといけない仕事なのかもしれません。
日々の改善業務というのは、やらないよりやった方がいいのは間違いありませんし、
ほっておけば誰もやろうとしません。
だから、ある程度監視をしないといけません。
ですが、他に仕事が多い中で片手間でやるので、成果は出ないのに仕事ばかりが増えるのです。
それでごまかして活動してるっぽい資料を作り、成果が出ていない現状を報告する。
進んでいないことを上司から責められ、また仕事が増えるしイヤな気分になる。
何も良いことはありませんでした。
多くの人は、そんなもんだ、これまでもそうだった、言っても仕方がない、
というあきらめの気持ちでやらされ仕事をやっていますが、
本当にその仕事はやらないといけないのでしょうか。
さきほども言いましたが、そりゃ上から見ればやらないといけない仕事なのでしょう。
ですが、本来であれば、資源を最大限に生かすために、
優先度の低い仕事はやめるという勇気ある決断が必要な時もあります。
To Do より Not To Do
なにをしないのかを決めるのは、
なにをするのかを決めるのと同じくらい大事だ。
──スティーブ・ジョブズ
これは有名な言葉ですよね。
では、全部必要そうに見える仕事の中からどうやって余計な仕事を仕分けることができるかというと、
誰か他の人に任せられる仕事かどうか
という基準で判断していけばいいと私は思っています。
たとえばですが、家で夕飯を作る時のことを考えてみましょう。
ざっとの手順としては以下のような感じになるかなと思います。
- 献立を考える
- 食材をスーパーに買い出しに行く
- ご飯を炊く
- 手順通りに材料を準備する
- 焼く(煮るでもなんでもいいんですが)
- 味付けをする
- 配膳する
これらの作業は1つでも抜けたら夕飯を食べることができません。
つまり、すべて必要な作業です。
これらをお母さんが一人でやるとお母さんは大変ですよね。
かつ、一つ一つの作業を軽んじることなく、すべてに時間をかけてじっくりやれば
そりゃおいしい料理はできるかもしれませんが、それをお母さんに求めるのは酷でしょう。
ということで、これを例にして、他に頼める仕事はどれか、というのを考えてみます。
まず、献立を考えるのはお母さんじゃないと無理ですよね。
いや、これすらお母さんじゃなくてもいい場合もありますが、
子供が献立を考えたらカップラーメンとか餃子とか、脂っぽくて体に悪い物ばかりが毎日食卓に並ぶことになるでしょう。
なので、ここは細かいことは言わず、お母さんにしかできないことと考えます。
スーパーに買い出しに行くのは子供に頼めばよさそうです。
必要な物をメモに書かないといけないかもしれませんが、
メモさえあれば誰でも行けます。
ご飯を炊くのも簡単です。
一度子供やお父さんに教えれば、簡単にできるでしょう。
お父さんがやったところでほとんど味に差は出ませんしね。
手順通りに材料を準備するというのも子供たちに手伝ってもらえばできます。
焼くのもお母さんが横で見ながら指示をしてあげさえすれば、
お母さんにしかできない作業でもないでしょう。
味付けはどうでしょうか。
これも他の人でもできると思いますが、家庭の味を作るのはお母さんです。
子供が味付けをしたら、めっちゃ甘いとかめっちゃ濃い味付けになってしまう可能性もあります。
それだと健康にも良くないですよね。
だからこれはお母さんにやってもらいましょう。
最後に配膳。
これもフライパンで焼かれた物をお皿に並べるだけだから
お母さんじゃなくてもできます。
どうでしょうか?
細かいツッコミはたくさんあるかもしれませんが、
ざっと見ても、お母さんじゃないとできない仕事、
お母さんにぜひともやってもらいたい仕事って献立を考えることと味付けをすること、
この2つだけですよね。
あとは他の人にやってもらったとしても、結果に大きな差は出ないと思います。
本当に必要なのは・・・
献立と味付け。
これが家庭料理を決める一番大事な部分、エッセンスですよね。
これを他の人に任せてしまうと家庭の味じゃなくなります。
他で食べるのと何ら変わりはありませんから。
そして、家族の健康を維持できなくなるでしょう。
つまり、本当に大事な仕事、他に任せることができない仕事というのは
それを任せてしまうと自分の存在意義がなくなってしまう仕事
だと私は思っています。
こういう見方で仕分けをすると、実は他に任せてもあまり困らない仕事って
けっこうあるんですよね。
でも、
焼き方にはこだわらないといけない
スーパーで値切る方法も身に付けないといけない
みたいなことを言ってなんでもかんでも自分たちでやらないといけないと思いがちです。
これがさぼれないことによる無駄であり、低い生産性の原因になっていると私は思います。
もちろん、他に任せるということはそれ相応の対価を支払わないといけません。
人に任せたいけどお金がかかってしまって任せられないということはあります。
ですが、スーパーの買い出しから焼き加減の調整まで、
すべてを高いレベルでやることを追及し過ぎていないでしょうか?
せめて配膳くらいは誰かにやってもらってもいいのではないでしょうか?
そうすればお母さんはもっとおいしくて体に良いドレッシングを作れるかもしれませんし、
デザートを追加してくれるかもしれません。
つまり、すべての作業をお母さんにやってもらうのではなく、
あまり成果の大きさに影響がない作業に心血を注ぐのではなく、
お母さんにしかできない仕事を追及してもらった方が全体にとっては良い効果が生まれると思うわけです。
この考えは、経営資源を適切に配分しないといけない経営層、管理職層の人は常に意識しておくべきだと私は思っています。
すべて必要だからという理由でなんでも全力でやれと指示することは、
結局は何もしていないのと同じ結果になってしまうことは往々にしてあります。
まさにこれこそが無駄なわけです。
・・・家の手伝いをあまりしていない私が書いてはいけない記事でしたかね😅
この記事を私の妻が読まないことを祈ります😁