こんにちは。かこかと申します。
JIMTOFレポート その3です。
よかったら、その1、その2も読んでみてください。
今回は海外のメーカー、それも欧州ではなくて中国、台湾のメーカーについて書いてみたいと思います。
今回のJIMTOFでは台湾のメーカーがたくさん出展していました。
これまでも少しは出展していましたが、今回は大きな横断幕(っていうの?)も出ていて、
本気で進出しようとしているんだなという意思を感じました。
とはいえ、やはりあまりお客さんはおらず、割と暇そうでしたが、
私としては今が逆に掘り出し物を見つけるチャンスではないかと考えています。
ただ、通訳もいなくて、担当営業の方もあまり英語が上手じゃない(私もですが・・・)ので、
なぜJIMTOFに展示したんだろうかと少し不思議に思いましたが・・・
JIMTOFといえば工作機械メーカーが中心の展示会ですが、
台湾や中国からは工作機械メーカーというよりは装置メーカーが多かった、
という印象です。
機械を設計したりする人にとっては割と面白かったのかもしれませんが、
工作機械ユーザーである私の立場からするとちょっと物足りなかったですね。
そんな中でも私が見つけた工作機械メーカーを紹介したいと思います。
CHIEN WEI PRECISE TECHNOLOGY CO., LTD.
http://www.chienwei.com.tw/index.html
出展していたのは縦型複合研削盤でしたが、他にも3次元測定機なども作っているみたいですね。
工作機械と測定機を両方作っている会社というのもなかなか珍しいです。
見た目はとてもシンプルな感じで、ゴテゴテしていないところはシンプル好きな私からすると好印象でした。
その代わり、たぶん機能は多くないのかなという気もしていますが、その分コストも安くなるかもしれません。
あと、まあこれはあまり設備評価とは関係ないのかもしれませんが、
設備の中が油で汚れていて汚いなあという印象を受けました。
以前、海外で作った設備の汚さ、特に配線の雑さがとても気になったことありまして、
それが頭に残っていたから特に気になったのかもしれません。
設備の作りの雑さは性能には直結しないのかもしれませんが、
過剰なくらいきれいさにこだわる日本の工作機械に慣れているとどうしてもマイナスな印象になってしまいますね。
次に紹介するのは工具メーカーです。
すみませんが、どこが会社の名前かわからないので、ホームページを見てみてください。
私が惹かれたのは刃先交換式のTスロットカッターですね。
なかなか日本では似たような工具を作っているところがないので、
おっ、珍しい、と思ってブースに入ってみました。
後ろから
「おはよ~~~」
と明るい声で話かけられましたが、これで目が覚めましたね。
刃先交換式の物は日本にもあるのですが、
簡単に脱着ができる機構が面白いなと思いました。
かつ、いろいろなサイズがあるのは他では見たことがなかったので、
これはいいんじゃないかなと思いました。
他にも工具メーカーや設備メーカーが出展していましたが、
今回、中国の北京精彫が出展していたのが興味深かったですね。
過去にも出展していたのかもしれませんが、私は実物を見たのはこれが初めてでした。
一般的にまだ中国の工作機械メーカーは日本に比べると劣るといわれていますが、
この北京精彫だけは他の中国メーカーより頭いくつ分か抜きんでていると言われています。
それを聞いてからとても気になっていたのですが、初めて実物を見ることができました。
見た目には特別な何かがあるようには思えませんでしたが、
NCも自社製の物を搭載しているので、レベルは高いんだろうなと感じました。
そして何より、加工精度がすごいですよね。
Youtubeを見ればたくさん動画が出てきますが、1つだけ紹介したいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=ekwk5VsflKI
多少パフォーマンス的なところもあるのでしょうけど、
境目が見えないくらいの精度での加工って、すごくないですか?
そうでもないですかね?
今後も注目のメーカーとしてウォッチを続けていきたいと思います。
なぜ私が日本よりレベルが低いと言われる中国、台湾の工作機械メーカーを気にしているかというと、それは世界をリードしている日本の工作機械業界が、半導体の二の舞になるかもしれないという危機感を抱いているからです。
これについては過去に別で記事を書いていますので、
そちらも読んでいただけると嬉しいです。
レベルが低い、安かろう悪かろうと高をくくって調査を怠ると、
半導体業界が一気に逆転された時のような現象が工作機械で再び起こっても仕方がないと思っているからです。
それでなくても最近の工作機械は特に目新しいものがなく、各メーカーでほとんど差がつかなくなってきています。
工作機械を構成する要素部品を購入して組み立てれば、そこそこの工作機械であれば簡単にできてしまいます。
コモディティ化した製品というのは必ずコスト勝負になりますので、
今のうちに中台の工作機械の実力を把握しておくというのは大変重要なことだと思っています。
むしろ、中台のメーカーをうまく使いこなせたユーザーが圧倒的優位に立てるのではないかとすら考えています。
来年には台湾版JIMTOFであるTIMTOSという展示会が開催されるので、
ぜひこれにも参加して台湾工作機械業界の実力をこの目で確認してきたいと思っています。
ちなみに、今回JIMTOFでお会いしたメーカーの方とは
「来年のTIMTOSで会おう!!」
と約束をしてきたので、また会えるのを楽しみにしています。
最後に自己紹介をさせてください。
私はこんな人です。
- 大手企業の生産技術を研究/開発する部署の課長
- 金属切削の生産技術歴 約20年
- 上司と部下の人間関係を中心に仕事のことを書いています
- 海外駐在経験あり
- 高周波焼入れに関する本を書きました
- Xもやってます https://twitter.com/kakoka_2019
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