こんにちは。かこかと申します。
製造業の国内空洞化が叫ばれて久しいですが、日本より大きな市場が海外にある以上はそれも仕方がないのかなと私は思っています。
私は以前、インドネシアに海外駐在をしていました。
海外駐在と言うと良い面、悪い面でいろんなことを思い浮かべると思いますが、私が感じた海外駐在あるあるを紹介したいと思います。
最初に断っておきますが、これはすべての業種、人に当てはまるものではありません。一般的に見ても私の経験が特殊な例であるとまでは思いませんが、あくまで私の会社での出来事ですので、その点についてはご了承ください。
- 海外駐在は「修行の場」と「一時逃避の場」
- 駐在員は別に偉くない
- 駐在員同士は仲が悪い
海外駐在は「修行の場」と「一時逃避の場」
海外駐在は行きたい人もいれば行きたくない人もいます。長い間、ずっと手を挙げていても全然選ばれない人もいれば、行きたくないのに選ばれてしまう人もいます。
では、どうやって人選されているかというと、大きく分けて2つのパターンがある、というのが私の印象です。
1つ目は「エース人材の修行の場」です。
将来、会社を背負って立つような見込みがある人が経験を積む場として人選されるパターンです。駐在先の事業の大きさやポジションの重要さに応じてそれぞれの実力を持った人が人選されていきます。これはよくある人選のパターンだと思います。
もう1つは「扱いづらい人の一時逃避の場」です。日本国内の職場でやっかいな問題を起こしたり、将来に明るい未来が見えづらかったり、いわゆる上司が扱いづらい人員はどこの職場にも一人や二人はいるものですが、海外駐在の人選依頼が来た時には待ってましたとばかりにこういう人が選ばれたりもします。
いくら駐在がエースの修行の場として有効であると言っても、自分の職場からエース人材が抜かれて嬉しい上司はいません。駐在先のポジションによってはエース級人材を出すのはもったいない、という場合もありますので、そういう時にはこういった人が選ばれることもあります。
エース人材が派遣される場合はまだいいのですが、後者の場合は問題が起きる可能性が高くなります。駐在員になると、それまでの環境から一段か二段上の役職をこなすことになることが多く、権限が増えることになります。そうなると、もともと業務処理能力が高くなかったり、周囲の人には納得しづらい考え方を持った人がこういう位置に就くと、話がうまく進まなくなったりします。
そんないい加減な理由で人選されることってあるの?と思われるかもしれませんが、意外とこれに近い理由で人選されることは多かったりします。他に適切な人員がいなくてやむにやまれず人選してしまった、ということもありますが、いずれにせよ、駐在員の人選というのは人選を依頼された側の人間にとってとても重要な判断であると私は思っています。
私が人選された理由がどちらであったかは当事者である私にはわかりません。当時、大きなプロジェクトのリーダーをやっていたので、そのプロジェクトの海外移管と同時に、お前が向こうでも続けて管理しなさい、という感じで選ばれました。もしかしたら人選されるかな・・・という予感もなくはなかったのですが、まだ任期の残っている駐在員も現地にいましたし、自分自身の海外志向があまり強くなかったということもあって希望を出したことは一度もありませんでした。ですから、海外駐在の辞令を受けた時にはとても驚いたことを覚えています。
駐在員は別に偉くない
先述の通り、順当に選ばれる人と消去法的に選ばれる人がいますが、いずれにせよ駐在員はそれまでより広い範囲の管理を任されることになり、権限も持たされることになります。そうなると、まるで自分が偉くなったかのように勘違いしてしまい、横暴な振る舞いをしてしまう人がけっこういます。
これはエース級人材であっても、そうでもない人材であっても、どちらの人材にも起こりうることです。とはいえ、後者の人材がこのような勘違いしてしまうと、本当に周囲が迷惑することになるのですが・・・
駐在する国や会社の文化などにもよるとは思いますが、外国は日本と比較してトップダウンの考え方が強い傾向にあると思います。つまり、不満があったとしても上司が白と言えば白、黒と言えば黒になることが多いです。そうなると、ますます自分が偉くなったかのように勘違いしやすい環境であると言えます。そのままの勢いで日本の親会社に所属する人たちに対しても上から目線で接する駐在員はとても多いと私は感じています。
私の場合で言うと、自分ではそう思ってはいませんでしたが、調子に乗っていなかったかというと、残念ながら否定はしきれません。ただ、一つだけ言い訳をさせてもらうと、海外駐在は日本国内で仕事をするのと同じテンションではいられない、ということは言えると思います。言葉が不自由であるがゆえに思ったようにコミュニケーションができず、日本では考えられないような問題も発生します。権限がある一方で守備範囲も広くなります。日本の会社が海外に比べて平和であるとは言いませんが、血圧が上がりやすい環境にあるのは間違いないと思います。そういった中で偉そうに対応してしまっていたこともあると思います。その節は申し訳ありませんでした。
駐在員同士は仲が悪い
これもあるあるだと思います。
「なんでだいたいの駐在員は仲が悪いんですかね。仲良くすればいいのに」と日本からの出張者がよく言っていました。もちろん、駐在員だって仲良くやりたいと思っています。ですが、そうもいかない事情があります。
それはやはり、権限と守備範囲が広くなるから、というのが原因だと思っています。権限が広がると、日本にいた頃には口出しできなかった分野にも口出しする機会が出てきます。その分野が自分の専門外でない場合でも、イメージでついつい口を出してしまったりすることがあります。
ですが、その分野を専門とする分野の人からすれば、それは決して面白い状況ではありません。質問や指摘の質が低かったりすることもありますし、今まで専門家同士の間では論理では説明できない、微妙なバランスで成立していた事柄に対して、それを正論(何の裏付けもないべき論やそもそも論)で崩そうとしてくるように感じるからです。
また、日本では比較的(あくまで海外工場に比べて)守備範囲がはっきり決まっていることが多いですが、海外ではそうでない場合が多いです。そうなると、自分の分野ではないと思っていたようなことまで責任を負わされたりします。これは俺の仕事じゃないだろ!!と文句を言ってられなかったりするのですが、それを頭では理解しつつ、これは俺の仕事じゃなくてお前の仕事だろ、というような考えが頭の中を支配してしまいます。
口には出せないこのモヤモヤが募っていくと、良好な人間関係を築くのが難しくなるのは容易に想像できると思います。また、エース人材の場合、確固たる自分の意見を持っている人が多いので、なかなか自分の考えを曲げようとせずに衝突してしまう、ということもあります。
海外駐在というのは広い守備範囲のわりに狭い世界です。そのような環境でいったん人間関係をこじらせてしまうと、修復するのはかなり困難であると言わざるを得ません。
まだまだ書きたいことがありますが、今回はここまで。
続きは続編で書きたいと思います。
最後に自己紹介をさせてください。
私はこんな人です。
- 大手企業の生産技術を研究/開発する部署の課長
- 金属切削の製造技術歴 約20年
- 上司と部下の人間関係を中心に仕事のことを書いています
- インドネシア駐在経験あり。インドネシア語検定C級を持ってます
- Twitter、noteもやってます https://twitter.com/Shibakin_2019
- noteで高周波焼入れに関する記事を書いています
もしこの記事を読んで良いと思われたようでしたら、
コメントをいただけると励みになります😊
みんなのディープラーニング講座 ゼロからChainerとPythonで学ぶ深層学習の基礎
【世界で5万人が受講】実践 Python データサイエンス・オンライン講座